世界待望のApple Musicがスタート!
ついにアップルの音楽ストリーミングサービスが始まりましたね。いわゆる「音楽ストリーミングサービス」は、定額制の音楽配信サービスで、もっていない曲や買うまでもなかった曲でも気軽に、そして無制限に聴ける画期的なサービス。個人的には「新しい音楽との出会い」がこのサービスの一番の旨味だと思ってます。
一足先に始まったLINE MUSICは曲数がApple Musicより少ないと言われながらもおさえている邦楽の数が多い印象で、どちらが自分に合っているかは一概に判断しづらい、というのがボクの今の感想です。
ただボクにとってLINE MUSICよりもApple Musicを選択せざるを得ない重要な相違点をいくつか発見しました。
Apple MusicのLINE MUSICにはない大きなアドバンテージ
Apple MusicにはLINE MUSICにはないアドバンテージが大きく2つあります。
1つは音楽をオフラインで聞けるところ、そしてもう一つはiPhoneとiPadの両方で利用するなど2台以上で使う「複数デバイスへの対応」です。音楽を聞く環境というのはネット回線がない場合が当然想定されますし、スマホはもちろん、タブレットやパソコンなど複数へまたがることが多いボクとしては2台以上のデバイス対応は必要不可欠でした。
Apple Musicはそのオフライン再生と複数デバイスへの対応が、非常に便利で使い勝手のよいサービスとして提供されています。
その他にもApple MusicがLINE MUSICと比較して非常に使い勝手が良いと感じた2つを合わせ、「4つのポイント」として以下に詳しくご説明します。
1)Apple Musicならオフラインでも音楽を聞くことができる!
まさにApple Musicにおける最大のアドバンテージは、Wi-Fiなどのネット回線がなくても、たとえ圏外になっても問題なく音楽を聞けるところです。つまり飛行機の機内でも、ドライブ中でも問題なく音楽が聞けます!
やり方も簡単で、プレイリストや曲の右側にある「…」を押し「(曲を)オフラインで再生可能にする」を選択するだけです。曲単位はもちろん、プレイリスト単位やアルバム単位で一気にオフラインで再生設定が可能です。
やがて曲データの端末へのダウンロードが始まり、オフラインでもその音楽を聞けるようになります。元々自分がデータとして所有している音楽はもちろん、Apple Musicで初めて出会ったような「持っていない曲」も含めて可能です。
逆にLINE MUSICの決定的に厳しいところは、ネット環境がないと何の役にも立たないということになります。しかもその必要なネット回線の品質はMVNOなどの低速モードではかなり厳しく、利用するデータ通信量にも大きく影響します。
たとえLTEの速度であっても月に利用できるデータ量に上限がある以上、なるべく通信量は抑えたいものですよね。あるサイトによるとLINE MUSICで1曲あたりに使うデータ量は10MB程度ということです(これはかなり多い!)。
Apple Musicでは、(端末の容量が許す限りですが)よく聞く音楽はオフラインで聞けるよう、音楽データを端末に保存できるのです。これはデータ通信量を節約できるとともに、通信で多く失われるバッテリーの節約にもなります。ストリーミング再生はずっと通信しっぱなしなので、スマホで聞いているだけで意外とバッテリーが消費してしまうため、長時間の再生は厳しいものがありました。
Apple Musicは、iPodのようなオフライン環境で音楽を聞く状況まできちんとカバーされていて、これは流石アップルと感じます。
※なお、LINE MUSICにはデータ通信量を抑えオフラインでも聴ける「キャッシュ機能」と言うものがあります。しかしどの曲がキャッシュされているか分からず、聴きたい曲を必ずしもオフラインで聴けるわけではありません。あくまでパケットを節約するための補助的な機能と捉えた方がよいでしょう。
(2015/7/10追記)
LINE MUSICにも「オフライン再生」機能が付きました。オフライン再生は現在Androidアプリのみ対応で、iOSは後日対応ということです。曲やアルバムメニューにある「キャッシュする」を選択するとオフライン再生ができるようになります。
ただしApple Musicと違って2点の制限があります。1点目はオフライン再生曲数で、最大500曲まで。そして2点目が超大事なポイントで、オフライン再生できるのは期間限定で、最後にオンラインで再生してから最大7日間ということです。
参考 【LINE MUSIC】ネットワーク環境なしで聴ける「オフライン再生機能」などをAndroid版で先行提供開始! : LINE MUSIC MAGAZINE
つまり、LINE MUSICだといつの間にかオフライン再生ができなくなってることが普通にあり得そうです。LINE MUSICはあくまで曲データを「キャッシュ」として捉えているようなので、やはりデータ通信量を抑える程度を目的としたオフライン再生と考えた方が良さそうです。
(2015/7/14追記)
2015.7.13にiOS版LINE MUSICもオフライン再生に対応しました(Ver.1.1.0)。
2)iTunesに入ってる曲を全部聞ける
Apple Musicはまだ始まったばかりというのもあり、自分の所持している曲がない場合が多々あります。しかし、心配する事は何もありません。と言うのも、レンタルも含めCDなどからiTunesに取り込んだ曲は全部iClould ミュージックラーブラリーに全部アップロードされ、どのデバイスでもストリーミングで聴けるようになるのです。
ただし曲数には上限があり、25,000曲となっています。また未確定な情報ですが、Apple MusicはApple Storeに存在する音源しか対応していないという情報もあります。
そしてこのサービスを利用するためにはiTunesまたはiOSの環境設定にある「iClould ミュージックライブラリー」を有効にする必要があります。
参考
– 自分のコレクションから Apple Music ライブラリに音楽を追加する – Apple サポート
– Apple Music ライブラリの設定を確認する – Apple サポート
実はこのサービス、「iTunes Match」という既にあったサービスと同じ物です。iTunes MatchはAppleのクラウドサービス「iCloud」上に音楽データをアップし、そこからストリーミング再生を可能にするというもの。iTunes Matchは年間3,980円かかるのでボクは利用していなかったのですが、月980円のApple Musicでも同じサービスが提供されるということで、ボクにとってApple Musicの価値が一段と跳ね上がりました。
3)iTunesのプレイリストが全デバイスで共有される
なんで今までできなかったんだろと思うくらいのことですが、ボクのように家では家のMac、職場では職場のMacと言う人だとプレイリストが同期されるメリットはものすごく大きいのです。
そしてiOS(iPhone、iPad)でも容量の関係で同期できなかった曲がストリーミングで聴けるようになったため、iTunesのプレイリストが全部表示され、再生できるようになります(環境設定>ミュージック の「iClould ミュージックライブラリー」を有効にする必要があります。)。
4)ファミリープランがある(複数IDの利用が可能)
家族でスマホを持っていると、それぞれの端末で別アカウントとして登録しなければならないLINE MUSICでは、アカウント分の料金がかかります(プレミアムプランで通常1,000円・学割600円)。
一方Apple Musicでは個人プラン(980円/月)の他にファミリープラン(1,480円/月)が用意されており、別々のApple ID(最大6つ)で使っても全部で1,480円しかかかりません。
家族みんながそれぞれの好きな音楽を月額1,480円で聞き放題になるApple Musicは、非常にコスパが高く感じられますね。もちろん、歯抜けにになっているアーティストやジャンルをもうちょっと何とかしてもらいたいですけどね。
さいごに
Apple MusicのAndroid対応は今年秋頃を予定しているようなので、いずれ近いうちに本当の意味でどのデバイスでも利用できるようになりそうです。
参考 Apple Music
また、Apple Musicにてオフラインで聞くためにDLした曲データはiPodには転送できないようですね。
ちなみに今回は音楽のストリーミング再生に関してLINE MUSICとの比較をしたかったので上記には書きませんでしたが、実はApple Musicのサービスにはミュージックビデオも含まれています。音楽はもちろん、気兼ねなく音楽PV映像も見ることができるのです。もちろん、こちらもオフライン再生が可能です。
音楽ストリーミングサービスは、海外ではだいぶ前からスタートしている無料のSpotifyがあり、そしてGoogle Musicが無料で最近サービスを開始しました(いずれも日本では未スタート)。
日本ではまだまだ始まったばかりの音楽ストリーミングサービスですが、まだまだこれからどう広がっていくか非常に興味深いサービスです。
とうとう数千数万の音楽ライブラリーをいつでもどこでも聴ける時代が来てしまいましたね!