はじめに
イオンの格安スマホ「イオンのスマートフォン」が非常に好調というのを受けてか、家電量販のビックカメラやヨドバシも格安スマホに参入するとのこと。
参考:格安スマホ、家電量販も ビックカメラやヨドバシ :日本経済新聞
今まではスマホを安く使うために、MVNOの格安SIMカードを契約し、SIMフリーの端末(スマホやタブレット)を購入して組み合わせることが必要だった。単体のSIMカードは過去はデータ通信だけが主流だったが、音声通話ができるタイプも登場し、どんどん一般的なスマホに近づいてきてたのだった。
最近流行りつつある「格安スマホ」は、考え方は同じなのだが、音声通話ができるSIMカードと端末がセットで販売されており、文字通り「格安スマホ」として販売されているものを指す。今回のイオンの格安スマホは、SIMフリーのNexus 4端末とNTT docomoのネットワークを用いたMVNOの日本通信を組み合わせた商品となる。
すまほん!!より引用:
販売される端末が、GoogleのピュアAndroid端末「Nexus 4」であるというのも面白い点です。製造はLGエレクトロニクス。4.7インチHD液晶、Snapdragon S4 Pro クアッドコア 1.5GHz、2100mAhバッテリーを備え、実行用メモリは2GBなど、今でもそこそこ通用するスペックを持っています。
以前もライフハッカーでFreetelのことを記事にしていたとき、こういうパターンが今後もっと流行るのかどうか気になっていた。今回イオンが販売開始した格安スマホがその火付け役になりそうな気配がしている。
イオン「格安スマホ」の支払料金は?
支払金額が大きく分けて、端末料金と音声通話月額基本料の2つ。この月額料金の合計が2,980円(税別)なので、これを最低金額としてアピールしている。
・端末料金:1,420円×24回(合計で34,080円)
・音声通話月額基本料:1,560円(税別)
※初期費用として、SIMパッケージ代金3,000円(税抜)の支払いが別途必要。大手メディアの記事でもあまり触れてなかったので、ご注意を。
データ通信月額基本料は0円!電話として発信すれば、20円(税別) /30秒がかかるのはいわゆる一般スマホと変わらない。もちろん、SMS送信もできるが国内からの送信で1通3円(税別)がかかる(受信は無料)。携帯電話番号ポータビリティ(MNP)で申し込むことも可能。
イオン「格安スマホ」の通信速度は?
価格を抑えるポイントは基本的に通信スピードになるのは、格安SIMのときと変わらない。イオン「格安スマホ」の通信速度はは以下の通りだ。
通信速度:200kbps
データ量:使い放題
ボクは通称”ワンコインSIM”と呼ばれていたServersMan SIM LTEを使っていたことがあったが、当時100kbps(現在最大250Kbps)という速さ。
100kbpsというのはテキストベースのメールやLINEのトークは問題なく使えていたが、ウェブへのアクセスはかなり厳しかった。倍の速さになったとしても、おそらく普段3GやLTEで慣れているボクにとって、この速さは耐えられないだろう。
ちなみに3GやLTEの一般的な数字は以下の通りである
・3G回線:下り最大14Mbps(イオン格安スマホの約70倍)
・LTE回線:下り最大72Mbps(イオン格安スマホの約360倍)
参考:モバイル通信情報局 » 【解説】「LTE」「3G」「WiFi」「WiMAX」とか色々ありすぎて意味不明。で、結局なんなの?
購入者について調べてみると、大半がシルバー世代ということだ。利用の目的はほとんどが通話とメールとネットということだが、ネットもそれほど頻繁に使わない前提だろうと推測している。コミュニケーションツールであるTwitterやLINE、そしてLINE電話や楽天でんわなどのIP電話がどれだけ使えるのかが、個人的には興味深いところだ。IP電話が使えれば、通話料金もかなり節約できる。
参考:イオン「格安スマホ」月額2980円!いろいろな機能いらない中高年層に人気 : J-CASTテレビウォッチ
イオン「格安スマホ」のメリット
スマホ利用の目的が限られていれば、イオン「格安スマホ」のメリットは大きいだろう。何しろ、「2年契約」という縛りがない(2年以内に解約しても違約金が発生しない)ので、いざとなれば別の速いSIM(別途契約が必要)に差し替えてもいい。
イオン「格安スマホ」には3GBの高速データオプション1,560円(税別)がもともと用意されているので、2,980円+1,560円=4,540円でもまだ割安感は十分ある(通信速度は3G程度)。
月々の固定費が抑えられ、なおかつ縛りを気にする必要がない。スマホを利用するにはどうしても高い固定費を払わざるを得なかった今までの状況と比べ、スマホのライトユーザーにとって、このメリットは本当に大きそうだ。
さいごに
通信速度が遅いイオン「格安スマホ」は、基本的にスマホ利用頻度が少ないライトユーザー向けだ。しかし今までコスト高でスマホ導入をためらっていたシニアや携帯電話ユーザーにどんどん浸透していきそうである。
そして家族みんなでスマホを使う場合でも、こういった格安スマホがあれば、奥さんや子どもにも気軽に導入できる(必要がなくなれば、違約金不要で解約できる)。
スマホヘビーユーザーなお父さんにとっても、家族の「スマホ欲しい」要望を叶えると共に負担を減らすことができるありがたい商品になるだろう。