4月7日に「note」という新しいサービスがロンチされたということで、ボクも早速使ってみた。noteは文章や画像、音楽をコンテンツの販売や購入をベースに、相手をフォローしたりされたりで人と繋がっていくソーシャルメディアの新しいプラットフォームがnoteであると認識している。
コンテンツの売買がなければ他のソーシャルメディアとほとんど違いはない(むしろ機能としては圧倒的に弱い)ので、ここがユニークとしてのキモであると考えている。
長くnoteを使えば本当の面白さがわかってくると思うが、あえて3日間使ってみて、今後どのように使っていけばnoteをもっと楽しめるか、「売り手」と「買い手」の観点で考えてみたい。
ちなみに売買できるコンテンツは、テキスト・イメージ・サウンドの3カテゴリー(記事執筆現在)。動画(ムービーノート)の販売機能は近日中に対応予定とのこと。
売り手(クリエイター)として楽しむには?
noteでは売り手=コンテンツ制作者として「クリエイター」と呼んでいるようだ。しかしこの記事では「売り手」と「買い手」とはっきり区別するため、基本的に「クリエイター」は使わないことにする。
noteは始まったばかりであり、まだ本気で販売しているコンテンツは少ない。そして欲しいコンテンツを探す機能(検索など)もない。よってロンチ早々で一番楽しめるのは売り手としてであろう。
売る方法は拍子抜けしてしまう程簡単。コンテンツを作って販売価格(税込で100円以上1万円以下)を設定するだけだ。手数料は決済手数料、プラットフォーム利用料(代金から決済手数料控除した10%)、金融機関の振込手数料ということだ。
デジタルコンテンツの販売価格及びファンクラブの月額会費(以下併せて「代金」という。なお、消費税相当額を含む。)はユーザーからPOC(略注:株式会社ピースオブケイク)の所定口座に振り込まれます。POCは、クリエイターから支払いの申請があった場合、代金から決済手数料、プラットフォーム利用料、および金融機関の振込手数料を差し引いた残額(以下「支払金額」という。)をクリエイターにお支払いします。
・ プラットフォーム利用料は、代金から決済手数料を控除した金額に10%を乗じた金額になります。
つまり、100円で売ったら決済手数料は100×5%=5円、プラットフォーム利用料は100×95%×10%=9.5円。すなわち粗利は代金100円から手数料の14.5円を引いて85.5円となる。
※最後に自分の銀行口座へ振り込まれる際には金融機関への振込手数料260円が天引きされるので注意。
しかし、ポンと投稿しただけで売れるほど甘くはないのは誰もがご存じの通り。いかに買い手(自分のファン)へ告知するかのプロモーションが必要だ。noteのソーシャル機能は主にそのために使う機能であろう。
主なプロモーション方法
●noteでフォロワーを増やす
●noteの投稿を他メディア(TwitterとFacebookは機能実装済)へ拡散する
昔と違い、今はお金をかけなくてもプロモーションする手段がある。こうしたツールをフル活用して、いかにnoteの投稿へファンを呼び込むか。この辺に面白さを感じられるクリエイターほど、noteの魅力は格段に上がっていくものと思う。
売り手として楽しむためのまとめ
まとめると、売り手として楽しむためには、以下の3つの作業をどんどんやっていくとよいだろう。
●買いたいと思わせるコンテンツを投稿する(しかしこれが一番難しい)
●note内で人と繋がっていく(フォローされる)
●他のメディアからファンを集める
買い手(ファン)として楽しむには?
買い手とはつまり、クリエイターのファンとして作品を購入する人で、noteではファンと呼んでいるようだ。
個人的な見解ではあるが、noteはまだ自分が買い手になって楽しめる場所にはなっていない。検索やお勧めなど、欲しいものを見つけられる手段がまだ用意されていないからだ。
偶然的に自分がフォローしたアカウントや一部の著名なクリエイターが自分の欲しいものを投稿してくれることも期待できるが、今はまだ閑散とした売り手の少ないマーケットにしか見えない。
しかも投稿はタイムライン、時系列なのでせっかくいいコンテンツを投稿してもらっても、そのタイミングで自分がそこにいなければ見つけることはなかなか難しい。どんなコンテンツでも時間と共に流れて行っちゃうというのは非常にもったいない。
もちろんこれから、ということなのはわかっているので、早くよい売り手がどんどん増え、いいコンテンツと出会えるような仕組みも組み込んでいただき、活気のあるマーケットになることを期待している。
さいごに
noteではファンとの交流を楽しめるように「トーク」という販売が絡まない投稿もできるようになっている。だから売り手とか買い手の範疇を超えた使い方も当然想定されるだろう。
ただ現状ではnoteは売り手「クリエイター」として活用するのが、一番楽しめそうだ。従って、当たり前のことだが「自分が何をどう売りたいか」をまず考えることが最も大切で重要だ。
何かを売ったことがない人、何を売ればよいか分からない人にとっては、機能の足りないソーシャルメディアに見えてしまうだろう。
いわゆる何かコンテンツを作ったりするような「クリエイター」ではないボクにとって、noteは「他人に売れるような、自分が提供できるコンテンツは何か」を考えるいい機会になると考えている。ソーシャルメディアが普及している今、これだけ簡単にモノを販売し、プロモーションできるチャンスを逃す手はない。
売り手であるクリエイターにとって、noteは「人と繋がりながら(ファンを集めながら)良いコンテンツを売って評価を受けたい、という欲求を満たすためのメディア」となるのではないだろうか。
今までも自分のコンテンツが評価される場所は数多くあった。そしてnoteによって「売上」という指標での評価が加わり、新しいモチベーションが生まれることになる。
企業がお客さまからの支持を「売上高」という指標で見ているように、クリエイターも「売上」がよい作品を生み出すモチベーションとなる。そんな素晴らしいエコシステムができ上がることを期待したい。
願わくば、単にインパクトだけを狙ったものや、釣りや炎上のような中身のないコンテンツが蔓延しないように。
追記
鈴木みそさんのnoteのコメントによると、販売者は購入者のアカウントが分かるという。
鈴木みそ | note
ご挨拶がわりに1課金。というのも「買ったのが誰かわかる」という仕様のためですね(笑)実はこれは日本のネット取引のエポックメイキングなのかもしれない。と思ってきました。挨拶代わりに有料コンテンツを買う。買ってくれたのでお返ししておく。みたいなかつて考えられなかった取引が行われつつありますよ。
自分のコンテンツを購入してくれた買い手(ファン)がわかるというのは、大変興味深い。これは売り手にとってすごく励みになるのは間違いない。
ソーシャルな繋がりの中でコンテンツを売ったり買ったりする。それがクリエイターとファンの絆を強めてくれる。これにはとても新鮮さを感じた。